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『和僑世界大会inタイランド』
 現地レポート

11月22日、23日に開催された『和僑世界大会inタイランド』には約1000名もの
和僑(海外ビジネスを行う日本人起業家)が集まり熱気溢れるイベントとなった。


1日目の「日本企業がタイでビジネスを成功させるための秘訣」と題された講演の中で、
タン・パーサコンティー氏(イチタン・グループCEO。飲料大手「OISHI」創業者)は
「私は日本人も日本製品も大好きだが、タイで受け入られるためには、日本製品は"良す
ぎる"という問題があるんじゃないだろうか?」と述べ、現地で受け入れられる商品作り
に徹する必要性を示唆した。


<写真01>日本企業へ愛あるメッセージを送るタン氏

 

ウェルカムパーティでは、世界中から集まった和僑たちが交流を広げ、更なる海外ネット
ワーク構築に勤しんだ。また、和僑会以外の団体の代表者も駆けつけ、これからの時代の
和僑ネットワークの重要性と各団体の連携の必要性が再認識された。


<写真02>祝辞を述べる大久保秀夫氏

(株式会社フォーバル代表取締役会長、関東ニュービジネス協議会会長)


<写真03>乾杯の音頭を取る田中秋人氏

(アジアフードビジネス協会代表)


<写真04>一日目のウェルカムパーティの様子


2日目には大前研一氏の講演「ボーダレス時代に日本人は対応できるか?」が行われた。


講演要旨は以下の通り。


■移民の流出入において日本はOECD諸国の中でもっとも低い。
「人が出て人が入る」これを繰り返して国がグローバル化していくのに日本が一番低い。


■日本は外国企業に対しても閉鎖的
・日本企業は積極的に海外進出しているが、海外からの直接投資はほとんどない。
・企業誘致する組織さえない。
 -国レベルではJETROが片手間にやっているだけ
 -ドイツのDFWと異なり単年度予算
 -シンガポールのEDBやアイルランドのIDAなどに匹敵する組織は不在
 -地方自治体も承知業務をやっていない
・ブルドッグソースの買収に関しての拒否反応


■なぜ日本は覇気を失ったのか?

・戦前・終戦直後
 -家父長制度
 -大家族
 -長男以外は食い扶持をみつけなくてはならない
 -大植民地以外
 -蛮勇をもって海外に雄飛
 -食い詰めたら海外移民
・戦後
 -結果的に一人っ子
 -単身世帯
 -比較的裕福な親
 -パラサイト+パウチ
 -コミュニケーション力、語学力、アジアでも最低
 -海外留学/出向は辞退者続出
 -食い詰めたら霞が関で陳情


■「内向き」「下向き」「後ろ向き」な日本の4大問題

・少子化
・高齢化
・単身世帯
・OECDで唯一、あらゆる層で個人所得と資産が20年間に渡って減少


■TTPに対して日本は被害者意識が過ぎる

・すでに商社は食糧メジャー
・40兆円以上使った国内農業保護策で生産性や競争力が上がったというデータはない
・1つの県の農業補助金で3000万トンのコメを作る農地が取得できる国がある
・「土地は輸入出来る」という発想が大事


■これからは世界の「僑」と競っていかなくてはならない

・トップグループはアイルランド、イタリア、ギリシャなど
・華僑と印僑も数千万単位
・中国は資源と成長性のあるアフリカに一億人規模の移住者を送り込む計画
・韓僑は世界中(175か国)に分布している


中国は、国内労働費の向上や繊維業がバングラディシュに取られている現状もあり、強い
危機意識をもってアフリカ進出に取り組んでいる。軍事的、経済的なハードパワーに加え、
文化を中心としてソフトパワーも強化しており、中国語を教える「孔子学院」の設置など
を通じて、中国文化の紹介や浸透も世界中で狙っている。


インドの輸出産業=最大のものは「人材」。
これからの世界では、知的労働者、プロフェッショナル人材、グローバル人材が活躍する
時代。印僑においては、海外に出た優秀な人材が、送金、投資、海外市場との仲介、母国
への頭脳還流などの形で貢献している。


■グローバル時代を勝ち抜くためのポイント

~個人~
・自らに投資し、世界のどこでも稼げるように
・アンビションと不屈の精神をもって、世界に飛び込む
・日本以外での資産運用先を求め、学習・実践する


~企業~
・世界で伸びる国・地域(新興国)に出て行き、事業を拡大
・世界に根差している現地企業、現地人材をうまく取り込む(買収・提携なども含む)
・事業をグローバル化するために、グローバル人材の確保・育成が急務


~国(政府)~
・世界で活躍できる日本人育成
・新興国の国作りを10年単位で手伝い、それらの国との関係維持・改善を図る
・世界から企業、人材、富裕層を日本に惹きつけるための制度を根本から見直す


1つの企業がグローバル化しようとしても、新興国などに簡単に入り込めるものではない。
海外就職など停滞する日本からの脱出が最近は注目を集めるようになってきたが、散発的
で「よその国がどのくらい地球村を活用しているか」という視点が欠けている。日本人、
日本企業がグローバル化するには、個人企業単位の取組で成し遂げるのは容易ではなく、
「日本人」の定義の見直しも含めて総合力・戦略性が求められる。ここに和僑活躍の余地
は大きい。


<写真05>大前研一氏


<写真06>熱心に聴きこむ来場者たち

 


2日目の大交流会は前日よりも打ち解けた雰囲気で更なる活気に満ち溢れていた。初対面
のメンバー同士が今後協業するための方法を話し合っている場面や提携先として他のメン
バーを紹介するような場面が幾つも見られた。


<写真07>2日目の大交流会の様子


<写真08>活発な交流が行われた


<写真09>事業内容を他の参加者に説明し合う様子


<写真10>各地の和僑会の代表者たち


<写真11>来場者に御礼を述べるタイ王国和僑会会長の谷田貝氏


<写真12>次回開催地の香港代表者へ和僑会旗のバトンリレー


<写真13>締めの挨拶をする筒井修和僑会会長


この和僑世界大会は、世界中の和僑会メンバーが年に一度集まるイベントで、2008年
の香港でのプレ大会を皮切りに、広州、沖縄、上海、シンガポール、そして今回バンコク
で開催された。来年の11月(予定)には、再度、香港での開催が決まった。通常は和僑
会メンバー以外も参加できるので、次回はあなたも駆けつけてみてはいかがだろうか。