HOME 海外進出サポーターズについて 海外進出支援企業を探す 海外ビジネスセミナーを探す 視察を探す 特集・レポート


日本企業の成長と生残りをかけた「海外進出」戦略~海外展開を成功に導くためのポイントとは?~
■開催日時:
 6月25日(火)14:00~17:00
■講師:
 Datatrade Ltd 
 グループマネージングディレクター Monica Chan(モニカ・チャン)氏
 マネージングディレクター King Leung(キング・レオン)氏
■主催:
 Datatrade Ltd / 株式会社グローブリンク /株式会社ランドスケイプ

アジアのマーケティング支援を行っているグローブリンクの近藤社長から、
「香港からデータトレード社のトップ2人が来日して講演するので来ませんか?」
とのお誘いがあり、お邪魔させて頂いた。


まず、データトレード社を知らない方のために、同社がどんな会社か説明しよう。


Datatrade Ltd概要
1983年に香港で設立された、アジア富裕層データベースを活用したダイレクト
マーケティングを得意とする企業で、ロイヤルティマーケティング、データ分析、
というようなノウハウとITを活用したサービスに加え、中国圏に進出する企業に
対しては、広範な現地小売店ネットワークを活用したオフラインマーケティングも
手掛けている。


シャネル、バーバリー、カルバンクライン、オメガ、DKNY、マークジェイコブス、
TUMI、資生堂、エスティローダー、CLINIQUE、MAC、マイクロソフト、レノボ、
キャノン、など世界の名立たる企業をクライアントに抱え、Direct Marketing Agency
of the Year を3年連続で受賞している企業と言えば、同社の実力をおよそ想像
する事は出来るだろう。


<<データトレード社の主なクライアント>>

 


当日は、グループマネージングディレクターMonica Chan 氏のオープニング
スピーチに始まり、同社が過去30年に渡り、アメリカ、フランス、イギリス、
アイルランド、インド、日本など、アジアに進出する各国企業のマーケティングを
支援してきた歴史が紹介された。


<<グループマネージングディレクター Monica Chan氏 >>


そして、マネージングディレクター King Leung氏の講演が始まった。


私自身、1970年~90年代に日本企業が手掛けた多くの素晴らしい商品やサービスに
多大な影響を受けて育ちました。しかし、昨今の日本製品の優位性が当時ほどでないのは
個人的にも残念に思う。


当時は、高品質なブランドを確立し世界中に大きな影響を与えていましたが、世界の競合
企業が品質の差を縮め、今は「膨大な宣伝広告が必要で価格競争が激しい時代」に入って
しまっている。


日本製品が「品質」という点で今でも優位性を保っているのは間違いない。しかし、海外
の顧客が払っても良いと思う『価格へのプレミアム』が大きく下がっている事実を残念
ながら見落としてしまっている。


日本が全盛期の80年代に育った海外の消費者は、この時代を懐かしく思っているので、
ラーメンやオモチャ、自動車など日本製品への愛着は根強いものがあるが、一方では、
「日本は本当にベストな製品は海外に輸出していないのではないか?」と思われている
ことも多い。海外市場と正しく接する努力、海外市場に正しく伝える努力をすべき時期が
今なのではないだろうか?


そのために日本企業がまずすべきことは、「海外市場での自社のポジショニング」を確認
することだ。その際は「製品優位性」「価格競争力」「インパクトあるマーケティング」
のトライアングルを思い浮かべながら考えて欲しい。

 

<「製品優位性」「価格競争力」「インパクトあるマーケティング」のトライアングル>
King氏はこのトライアングルがとても大事だと力説していた。



日本企業はどの国から始めるべきか?


もちろん一概には言えないが、中国を含めてアジア市場を捉えたいのであれば、多くの
企業にとっては香港がその答えになるだろう。


主な理由としては以下4つが挙げられる。
(1)低税率、規制の少なさなどの「事業のしやすさ」
(2)珠江デルタを含めた「市場の巨大さ」
(3)CEPA(経済貿易緊密化協定)で中国からの優遇政策をうけている点
(4)中国からの旅行者が増えており、本土に進出する前から本土の人間に販売できる
チャンスが多い点


今、香港の飲食業界も小売業界も順調に売上が伸びている。あまり知られていないのが
香港のアート市場で、オークション売上はニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の
市場になっている。340万人の富裕層へのアクセスが可能なので、国際的なトップ
ギャラリーは香港に次々とオープンしている。


世界のラグジュアリービジネスブランドは84%が、国際的リテールブランドは41%が
すでに香港に進出済みで、本拠地よりも香港に多く出店しているケースは珍しくない。
・バーバリー:、ロンドン11店、香港17点
・グッチ:ミラノ6店、香港13店、
・フェラガモ:ミラノ4店、香港10店、

 

日本企業のライバルになる韓国企業の動向について


K-POPの影響力が大きく、多くの若い世代が韓国ブランド(美容、ファッション)に
惹きつけられている。韓国企業はマーケティングが上手で、インパクトがある店構えを
作ったり、買った商品よりも大きいサンプルをプレゼントしたり、日本企業がやってない
マーケティングを積極的に試している。


企業によって採るべき戦略は当然異なるが、最低限のマーケティングとして、
「市場/競合調査」
「ブランドポジショニング」
「価格戦略」
「販促戦略/キャンペーン企画」
などは事業を始める前に行うべきだろう。


韓国企業は、これらのマーケティングを行うことで成功確率を高められることを熟知して
いるように思われる。

 

ネット通販などオンラインで展開するのは?

最近は、ネット販売だけで中国市場を狙う動きもある。ECが無視できないマーケットに
なっているのは事実なのでそれ自体を反対はしないが、やはり、もっともインパクトの
ある施策は「オンラインとオフラインの融合」だろう。


なぜなら、中国の消費者も「どの店で御社の商品が扱われているか」を見ているからだ。
当然、評判の良い店で売られていれば、それだけでも良いイメージを与えられるし、
それをキッカケにネットでの購入につながるケースも多い。

 


そして、質疑応答の時間となり、中国進出を検討している小売企業の担当者と思われる
参加者などから、活発な質問が飛び交った。


私もせっかくなので、以前から気になっていた質問を投げてみた。


「日本企業もマーケティングの必要性は頭では理解しているものの、中小企業では
そこまでの投資が出来ないのが現実だと思う。大企業でもなく、ブランドも無い
企業にとっては、正攻法のマーケティングだけでは難しい現実があると思うが、
予算が限られる中小企業でも出来るマーケティング手法があれば紹介して欲しい」


「知名度が無い企業が行うマーケティングとしては、まず話題性を高めるために
バイラルマーケティングなどが考えられる。最近では、YouTubeなどの動画を活用
したユニークな事例も多い。話題性を出すためにクレイジーな企画を考える事は
我々も出来るが、成功確率を考え、我々は正攻法のマーケティングをやはり推奨
している。」

 

<マネージングディレクター King Leung氏>
King氏はマーケティング業界における業績により
Stanford Who’s Whoに選出されている。

 

 


日本人は、もともとコミュニケーションが苦手な人種だと言われている。
それには、日本が島国で、阿吽の呼吸が通じる社会があったのが要因であるが、
だからこそ海外に出たのであれば、しっかりと自己主張するなど、
現地に合わせたコミュニケーションを行っていかなければならない。


マーケティングを「市場とのコミュニケーション」と考えれば、
我々日本企業のマーケティング下手も理由がつくが、
海外市場で成功したいのであれば、やはりKing 氏の言うように、
マーケティングに対する考え方を見直すべきタイミングなのかも知れない。


近藤社長、お招きいただきありがとうございました。


<左Monica Chan氏 、中央King Leung氏、右グローブリンク近藤社長>


 

グローブリンクの紹介ページはこちら
http://asia-biz.info/company/company00029.html